先日、アメリカ出張から帰ってきました。今回もいろいろと勉強させてもらいましたが、なかでも“アメリカのベーコンがカリカリの理由”を自分なりに理解できたのは収穫でした。
★☆★アメリカのベーコンがカリカリな理由★☆★
①グリーンウェイト
アメリカの食肉加工品は USDA(米国農務省)の管理下にあり、ベーコンの定義として日本にはない下記の一文が添えられています。
“Bacon must return to green weight.”
直訳すると「ベーコンは自然の重さに戻さなければならない」となります。要は「ベーコンとして販売されるものの重量は、加工前の生肉の重さを越えてはならない」というワケです。アメリカでも日本と同様に、風味・色・保存性の向上を目的としピックル液を肉の内部にインジェクションすることはあります。ただし、塩漬⇒乾燥⇒スモーク⇒加熱等の工程を経て、最終製品の歩留まりは原料肉に対して100%未満にしなければならないのです。一方で日本のベーコンにはそのようなルールがなく、大半の製品は原料肉に対する歩留まりが100%以上あり、加熱調理すると水分が染み出てくるのはそのためです。カリカリの背景にUSDAあり、でした。
②アメリカの食文化の象徴
「ハムやソーセージは、ドイツやポーランドやデンマーク等の移民によって持ち込まれた欧州文化圏のものだが、ベーコンについては“自分たちのモノ”という意識が強い」と Red Arrow のグローバル部門の営業部長であるM氏は教えてくれました。「これはあくまで個人的な意見だけどね」と彼は続けましたが、私はそこにひとつの真理があると感銘を受けました。一般的に欧州ではベーコンに豚の背中の肉(ロース肉)を使いますが、アメリカでは脂肪の多い豚の腹の肉(日本でいうバラ肉)を使用します。それ故、アメリカのベーコンは加熱すると多量の油が溶け出し、その油で自身を揚げ焼きすることになり、カリカリに仕上がります。元々はハムやソーセージと同じく欧州から持ち込まれものでしたが、こうした独自の進化を遂げることでベーコンはアメリカ食文化を象徴する食べ物の一つとなりました。そしてそのカリカリは年月とともに磨きをかけられ、今日に至るものと私は理解しました。
ちなみに同じアメリカでもハムにはグリーンウェイトルールは適応されません。ただし製品重量がグリーンウェイトを上回るものについては、その割合や中身に関する表示がされていたのは驚きでした。
その他、新たに学ばせてもらった内容については、また別の記事で紹介したいと思います!
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