ディッピングとドレンチング

クリーンスモーク(くん液)の使用方法について、過去記事<クリーンスモークの用法いろいろ>で紹介しました。今回はそのなかの「ディッピング」と「ドレンチング」を深掘りします。

【ディッピング】
希釈したクリーンスモークに食材を浸す用法。他の調味液とミックスして使うことも可能。固形チーズのように、浸透に時間を要する食材に最適。画像はモモ肉の特大ハムをラボでディッピングしている時のもの。
【ドレンチング】
希釈したクリーンスモークを食品にかけ流す用法。全自動コンベアラインの『連続式』や、かけ流した後はスモークハウスに移して処理を進める『バッチ式』がある。かけ流した希釈液は、循環再利用するのが一般的。

まず用語の確認ですが、国内では「ディッピング=浸漬」「ドレンチング=シャワリング」に置き換えられることがあります。「ディッピング=浸漬」はそのまま同義語になるという認識ですが、アメリカに代表される欧米各国において「ドレンチング」と「シャワリング」は使い分ける傾向が強いようです。いずれもクリーンスモークをかけ流す用法を指して用いられることもありますが、「シャワリング」は製品を冷水で冷却する「Chilling」の意味合いで使われることも多々あります。これらの用語の混合を避けるためか、欧米の文献では「クリーンスモークのかけ流し=ドレンチング」と表現されることが多いため、ここでは「シャワリング」ではなく「ドレンチング」という表現を使用します。

いよいよ本題です。まずはこちらの映像をご覧ください。
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ディッピングの検証手順≫
① クリーンスモークを水で33%に希釈してください。※1
② ①の液に豚ばら肉を30秒間ディッピングしてください。
③ 200℃のオーブンで15分間、加熱してください。
④ スモークカラーの出現を確認したら冷却して完成です。
1 濃度やクリーンスモークの種類を変更することで、仕上がりを調整することができます。

ドレンチングの検証手順≫
① 希釈したクリーンスモークをドレンチング機に充填してください。
② 豚ばら肉全体に①の液を満遍なくかけ流してください。
③ 80℃のトンネルオーブンでスモークカラーが出現するまで加熱してください。
④ 中心温度が基準値に達するまで加熱し、その後冷却したら完成です。※²
※² 加熱方法は、蒸煮・クックインバッグ・スチーム・マイクロウェーブ他、指定はございません。

映像の通り、どちらの用法もスモークハウスを必要としません。映像後半のトンネルオーブンを用いる製法は、手軽かつ省スペースでスモークができるということで欧米では人気を博しております。映像では豚ばら一枚肉をジューシー且つスモーキーに仕上げておりましたが、クリーンスモークの本場であるアメリカにおいて、この製法が最も活躍するシーズンがあるのですが分かりますか?そう、クリスマスです!(いきなり答えを言うスタイル!!)クリスマスシーズンになると何万羽というターキーが、クリーンスモークのシャワーを浴びて、トンネルオーブンをゆっくりと通り抜けて、ジューシーなスモークターキーになるわけです。

日本ではまだまだほとんど認知されていない製法ですが、Red Arrow のクリーンスモークを活用すれば、ベーコンに限らず、ターキーに限らず、あらゆる食品を簡単にスモークすることが可能になります。ご興味があれば、まずはお気軽に【お問合わせ】ください。LET’S SMOKE!!!!